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2007年1月19日 (金)

山田芳裕「度胸星」

Photo_5 皆さんこんにちは、まんたんスタッフのうえむらです。
周知のことですが、数ある漫画作品には打ち切り作品というものが存在します。
不人気ゆえに読者がつかず、当初予定されていたであろう連載期間を
大幅にカットして、張りまくった伏線も回収しきれずに
駆け足で最終回へともつれこんでゆく漫画を、誰でも
一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
打ち切り作品の大半は、やはり打ち切りになるだけあって
連載を続けてゆくには力不足であったものですが、
なかには「何でこれが終わったの?」と感じるような
明らかに面白い打ち切り作品もごくわずかながら存在します。
今回ご紹介する山田芳裕「度胸星」は、そんなとてつもなくおもしろい打ち切り作品です。

アメリカが誇る人類初の有人火星探査船・スキアパレッリ号。
探査船の乗組員が人類初の火星上陸を果たしたその直後、突如としてその
通信が途絶えてしまいます。
これを受けて早急に乗組員救出計画を立てたアメリカは、世界各国で
学歴・国籍を問わない宇宙飛行士候補を選抜することになります。

日本の宇宙開発事業団NASUDAで行われるその選抜に挑むのが、
主人公の三河度胸。亡き父の後を継いで大型トラックの運転手を
していましたが、ひそかに宇宙飛行士になるための勉強を続けていた
今時珍しい無口で純朴な青年です。
過酷な訓練と容赦ない選抜試験を持ち前の「度胸」で勝ち抜いてゆく主人公。
ライバルたちにもさまざまな個性があり、それが物語にメリハリをつけています。

一方そのころ火星では、突如として現れた謎の「高次元生命体」によって
他の乗組員を惨殺され、たった一人生き残った宇宙飛行士が、地球と交信を
取ろうとやっきになっていました。
人智を超えた物体と命を懸けて対峙する彼の姿は、並みのホラーの比では
ありません。

果たして火星にいる乗組員を救うことはできるのか?
そして火星に行けるのは誰なのか?

…と盛り上がって盛り上がって主人公がついに火星へ向けて
出発するところで、なぜか、なぜか打ち切りになっています。

未完とはいえ、宇宙飛行士選抜試験のリアルさ、
そして高次元生命体と宇宙飛行士のやりとりは必見です。
是非読んでみてください。

そしていつかこの作品がどこかの雑誌で連載再開してくれることを

うえむらは願ってやみません。

山田芳裕「度胸星」「へうげもの」「デカスロン」「泣く男」は
まんたんに置いてあります。

Photo_2

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コメント

漫画本も、もちろんビジネスなので、売り上げとのバランスなどが重要視されるのはやむをえない。

提供側(出版社等)も、自分たちの予測や思い込みや判断・評価で、連載の打ち切りを決めていることもあるのかもしれませんね。
読者が本当に読みたいもの、指示するものが、本当に分かっているのか。
でも、今まさに時代は変わりましたね。
「web2.0革命」って言うんですか?よく分からないけど・・・。
読者の意見が、反映され、本が復刻されたり再販されたりする時代になりましたね。なんか嬉しい。

今回のうえむらさんの記事を読ませていただき、うえむらさんみたいに、本当に漫画の価値をよく知っている人たちのお陰で、本当の漫画文化がこれから出来上がっていくような予感がしました。
ビジネスとしての漫画だけでなく、文化としての漫画、文化としての価値が、このブログをきっかけに、大きく広がるといいですね。

投稿: オヤジ | 2007年1月20日 (土) 13時29分

コメントありがとうございます。

投稿オヤジさんのおっしゃるとおり今は本当に
読者の意見が、反映され、本が復刻されたり再販されたりする時代になりましたね。私も嬉しいです。


この作品が打ち切りになったときはネットでも
ずいぶん話題になり、「たのみこむ」という消費者リクエスト型ショッピングサイトでは「度胸星」書き下ろし完全版を!というリクエストボードが作成され、多くの賛同者を集めていました。作者の山田芳裕氏も「機会があれば完結させたい」と話しているので、いつかきっと…と信じている読者は私だけではないでしょう。

私は本当に漫画の価値をよく知っているかどうかはちょっと自信がないですが、投稿オヤジさんのお言葉、とても嬉しいです。漫画文化の価値が広がるのにこのブログが少しでも関われてゆけたらこんなにうれしいことはありません。

投稿: うえむら | 2007年1月22日 (月) 23時23分

コメントありがとうございます。

投稿オヤジさんのおっしゃるとおり今は本当に
読者の意見が、反映され、本が復刻されたり再販されたりする時代になりましたね。私も嬉しいです。


この作品が打ち切りになったときはネットでも
ずいぶん話題になり、「たのみこむ」という消費者リクエスト型ショッピングサイトでは「度胸星」書き下ろし完全版を!というリクエストボードが作成され、多くの賛同者を集めていました。作者の山田芳裕氏も「機会があれば完結させたい」と話しているので、いつかきっと…と信じている読者は私だけではないでしょう。

私は本当に漫画の価値をよく知っているかどうかはちょっと自信がないですが、投稿オヤジさんのお言葉、とても嬉しいです。漫画文化の価値が広がるのにこのブログが少しでも関われてゆけたらこんなにうれしいことはありません。

投稿: うえ | 2007年1月22日 (月) 23時23分

初めまして!菱沼翠(ヒシヌマ ミドリ)と申します。
先日「度胸星」を美容室で読み、すっかり魅了されてしまいました。単行本が欲しくなり、古本屋をハシゴ中です。

打ち切り漫画の名作といえば「クピドの悪戯-虹玉-」「さくらんぼシンドローム-クピドの悪戯Ⅱ-」で有名の北崎拓さんの「ますらお-秘本義経記-」です(文庫版ではタイトルとサブタイが逆になっております)
源義経を主人公にした歴史漫画で、残念ながら一ノ谷の戦いまでで打ち切りとなってしまいました。しかし現在でも根強いファンが多く、連載再開を望む声が多いです。機会がございましたら是非ご一読下さい。

「度胸星」を打ち切りにした編集長・O氏は少年サ●デーの編集出身で、SF漫画と歴史漫画が嫌いでスポーツ漫画とさわやか系の漫画が大好きな方だと聞いたことがあります。編集に個人の考えを持ち込まないで欲しいですよね。

漫画は立派な文学であると私は考えます。小説のように作家と作品を大切にし、自由に書ける場を提供して欲しいと思います。

それでは長々と失礼しました。乱文お許し下さい。

投稿: 菱沼翠 | 2007年11月 2日 (金) 17時26分

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