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2007年5月 4日 (金)

「ルルとミミ」のなかで萩尾望都は失敗の中にこそ希望があると教えている

 処女作にはその作家の持ち味が集約されているそうです。勝つことよりも、負けてもその失敗の中に希望を見出すことの大切さを教えてくれる処女作を描いた人がいます。

 今日は

  まんが①死ぬほど面白いマンガを「まんたん」でみつけました

  というカテゴリーのなかで

 「ルルとミミ」のなかで萩尾望都は失敗の中にこそ希望があると教えている

  と題して進めます。

 福田里香先生は4月30日付の産経新聞読書欄の中で、萩尾望都作「ルルとミミ」について次のように書いています。 

・・・

 この本と出会った

萩尾望都著「ルルとミミ」  「失敗こそ希望」が創作の原点

料理研究家 福田里香

0504_1   萩尾望都さんのデビュー作『ルルとミミ』は、双子の女の子が、ケーキコンテストに出来損ないのお菓子を出品し、そのお菓子によって、会場に闖入してきた怪盗団を退治する、というストーリーのかわいい短編コメディーだ。

 ケーキをコンテストに出して人と競う、というフードバトル的展開は、のちにこのジャンルで隆盛を誇ることになる少年・青年まんがより、本作やその後の萩尾作品『ケーキケーキケーキ』(原作・一ノ木アヤ)の方が実は早い。青年まんがのフードバトルものと萩尾作品が決定的に違うのは、主人公が勝たないところである。さて現在、一般的に世間では、食べ物を武器にして戦う作品を「料理まんが」と称し、今や二大ジャンルを築いているが、これはウンチクという武器だったり、珍しい材料という武器で戦い、ライバルに勝利していく、という展開が基本だ。そう、食べ物は、身近な存在だから「万人にわかりやすい武器」として機能するのだ。しかし、ともするとじつは食べ物が主題ではなくて、他に描きたいことがあるから、食べ物を武器にしているんだなと読める節がある。

 逆に『ケーキケーキケーキ』は、ライバルの卑怯な不正すら世間に正されず、負けて終わる話だ。そして、『ルルとミミ』は、ちゃんとしたケーキを作ろうとして失敗する話。ベタベタケーキに空中に浮いちゃうケーキ、カチンコチンな固いケーキ。でも普通に売ってるおいしそうな「成功した」ケーキより、だんぜんこっちが食べたかった。処女作には、その作家の持ち昧が集約されるというが、本作を読み返すたびに、萩尾望都さんは、やっぱり徹底的に少女まんが家だなと思い知る。

 勝つことは重要じゃない、負けてもいい、失敗にこそ、希望があるのだ、といわれた気がした。それが今でも私の創作の原点になっている。

・・・

 うーん。

  あなたはどのように思いますか?

 読んでみたいと思いませんか?

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